「……やばい。」
ある朝、鏡に映った自分を見て言葉を失った。
お腹は立派に育ち、腰はギシギシ、椅子から立つのも一苦労。
デスクワーク歴20年。
パソコンの前に座り続けた末路は、腰痛からのヘルニアだった。
整骨院もストレッチ動画も試したけど、なかなか改善せず。
「これじゃあ10年後歩けなくなるかも…」
そんな危機感から、ついに動き出すことを決意した。
ダイエット目的で選んだのは、まさかの卓球
運動不足解消とダイエットを兼ねたスポーツを探す中で思い出したのが、中学時代に打ち込んだ卓球。
「卓球なら腰に優しそうだし、何より楽しかった記憶がある…」
20年ぶりに近所の卓球場へ足を運び、ラケットを握る。
しかし現実は甘くなかった。
ラケットは握れても、ラリーは続かない
最初の練習でフォアもバックも空振り連発。
相手の優しいロビングにも対応できず、ゼーハー息切れ。
「おかしい…昔はスマッシュで先輩を沈めてたのに…」
自尊心が崩壊しかけたそのとき、ひとつだけ昔と変わらないものがあった。
卓球の楽しさだ。
ヘルニア持ち卓球戦士、誕生
久しぶりに打球がラケットに当たったときの快感。
スマッシュが(たまたま)決まったときの爽快感。
そして何より、練習後に感じた腰の軽さに驚いた。
「これ…腰にいいんじゃないか?」
卓球は前後左右のフットワークと体幹を使う。
ストレッチより効果的で、なにより楽しい。
次の日には筋肉痛で悲鳴をあげたが、腰痛は少し和らいでいた。
こうして彼は、“ヘルニア持ち卓球戦士”として第二の卓球人生を歩み始めた。
湿布とサポーターと卓球台
今では週1回、卓球場へ通うのが日課。
練習後は湿布とサポーターで全身武装しつつも、
「次は回転サーブを極めよう」
「新しいラバー欲しい…」
と用具沼にも片足どころか膝まで浸かっている。
まとめ
もし、あなたが運動不足で腰痛に悩むデスクワーカーなら、
ぜひ一度卓球台に向かってみてほしい。
ドライブが決まったときの「キュンッ」という感覚は、
きっと子どもの頃のワクワクを思い出させてくれるはず。
そしていつか、湿布を貼りながらラケットを握る“ヘルニア持ち卓球戦士”仲間として、
一緒に卓球場で汗を流せる日を楽しみにしている。