社会人になってからも卓球を続けている。
練習には来ているし、ラリーも前より安定してきた。
それでも、「上達している実感があるか」と聞かれると、正直よく分からない。
そんなとき、ふと頭に浮かぶのが
「一度、大会に出た方がいいのかな」という考えです。

結果が出れば、自信になるかもしれない。
今の実力がはっきりするかもしれない。
停滞感から抜け出すきっかけになるかもしれない。
一方で、
負けたら余計に落ち込む気もする。
忙しい中で準備する余裕もない。
今のレベルで出て意味があるのか分からない。
この迷いは、社会人卓球ではとても自然なものです。
そして実は、この迷いが出てきた時点で、その人はすでに「次の段階」に入っています。
社会人が「大会に出た方がいいか」と悩み始める理由
指導の現場で、よくこんな相談を受けます。
「最近あまり上達していない気がしていて。大会に出た方がいいですか?」
この質問は、一見すると行動の相談です。
でも、本音は別のところにあります。
多くの場合、聞きたいのは
「今の練習は間違っていませんか?」
「このまま続けて、ちゃんと伸びますか?」
という確認です。
社会人になると、卓球は生活の一部になります。
仕事があり、家庭があり、体力の回復も学生時代とは違う。
毎日打てるわけではありません。
それでも続けているからこそ、
成長を実感できない時間が続くと、不安が強くなります。
大会に出るかどうかを迷うのは、
卓球をやめたいからではありません。
むしろ、ちゃんと続けたいからこそ出てくる迷いです。
大会に出れば、社会人卓球は上達するのか
ここは、はっきり書いておきます。
大会に出れば必ず上達する。
大会に出ないと成長できない。
どちらも事実ではありません。
大会には、確かに得られるものがあります。
本番の緊張感、真剣勝負の空気、結果としての勝ち負け。
練習では見えなかった課題がはっきりすることもあります。
ただし、それは
「何を確かめたいか」が明確な場合に限られます。
なんとなく停滞しているから。
何か変えたいから。
周りが出ているから。
この状態で大会に出ると、
結果だけが強く印象に残りやすくなります。
負けた理由を整理できないまま、
「やっぱり自分はダメなんだ」と結論づけてしまう。
社会人卓球でよく見る、もったいないパターンです。
社会人卓球は、学生卓球と同じ基準で考えない
社会人と学生では、卓球を取り巻く前提がまったく違います。
練習量、体力、回復力、生活リズム。
どれを取っても、同じではありません。
それなのに、
「大会で結果を出す」
「短期間で一気に伸ばす」
という学生時代の基準を、そのまま当てはめてしまう。
これが、社会人卓球が苦しくなる一番の原因です。
社会人が感じる「上達しない」という感覚の多くは、
実力不足ではなく、評価の物差しが合っていないだけです。
週1〜2回の練習でも、
ラリーが続くようになった。
ミスの質が変わった。
落ち着いてプレーできるようになった。
これらは、間違いなく成長です。
ただ、大会というフィルターを通すと見えなくなります。
大会に出た方がいい人とは
指導していて感じるのは、
大会に出た方がいい社会人と、まだ出なくていい社会人には、はっきりした違いがあるということです。
大会に出ることで伸びやすいのは、
・試したい技術やテーマがはっきりしている人
・勝ち負けより、確認を目的にできる人
・結果を冷静に振り返れる人
逆に、今は出なくていいと感じるのは、
・上達していない自分を強く責めている人
・結果で自分の価値を測ってしまう人
・練習の軸が定まっていない人
後者の状態で大会に出ると、
卓球そのものが楽しくなくなってしまうことがあります。
大会は、成長させてくれる魔法ではありません。
今の状態を、そのまま映す鏡です。

社会人が大会に出る前に考えておきたいこと
もし今、
「大会に出た方がいいのか」で迷っているなら、
一度だけ考えてほしいことがあります。
それは、
「大会で、何を確かめたいのか」という一点です。
勝ちたいのか。
今の実力が通用するか知りたいのか。
緊張感を経験したいのか。
一つの区切りが欲しいのか。
どれも間違いではありません。
ただ、ここが曖昧なまま出ると、得るものも曖昧になります。
逆に、
「今日はバックの安定感だけを見る」
「サーブからの展開だけ意識する」
これくらい試合に出る目的が具体的なら、勝ち負けに関係なく収穫があります。
大会に出なくても、社会人卓球はちゃんと伸びる
もう一つ、大事なことを書きます。
大会に出なくても、卓球は上達します。
社会人の場合、こちらの方が合っている人も少なくありません。
限られた時間の中で、
テーマを絞って練習する。
短時間でも集中する。
できない自分を責めすぎない。
これを積み重ねられる人は、
大会に出なくても、確実に変わっていきます。
「大会に出ていない自分は、逃げている」
そう考える必要はありません。
続けられていること自体が、すでに価値です。
迷っている今こそ、社会人卓球の分岐点
大会に出るか迷っている。
上達していない気がする。
それでも、卓球は続けている。
この状態は、決して悪くありません。
むしろ、自分の卓球と真剣に向き合っている証拠です。
大事なのは、
誰かの基準で決めないこと。
焦って答えを出さないこと。
大会に出てもいい。
出なくてもいい。
どちらも、正しい選択になり得ます。
今の自分が、何を確かめたいのか。
卓球に、何を求めているのか。
そこが見えてきたとき、
大会は「出るべきかどうか」ではなく、
「使うかどうか」の選択肢になります。
最後に
もし今、
「今の卓球に少し変化が欲しい」
「練習はしているけれど、何かが噛み合っていない」
そんな感覚を抱えているなら、一度立ち止まって自分のプレーを整理してみるのも一つの選択です。
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