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強い人ほどミスを恐れていない──卓球の勝敗を分ける「失敗との付き合い方」

作成者: M.O|25/12/16 8:58

こんにちは、M.Oです!

あなたは、試合でどんな瞬間に一番気持ちが崩れますか。  


私の場合、それは派手なミスではありません。

大きくオーバーしたり、ネットに突き刺さったりするよりも、

「今のは入れたかった」という一本を落とした直後です。

あの一球をきっかけに、ラケットが振れなくなったり、安全な返球ばかり選んでしまったりする。そんな経験が、きっとあなたにもあるはずです。

同じようにミスをしているのに、不思議と崩れない選手がいます。  
点を落としても表情を変えず、次の一本を淡々と打つ人です。  
一方で、たった一度のミスから流れを失い、試合全体が苦しくなる人もいます。  
この差はいったいどこから生まれるのでしょうか。


私は長く卓球をプレーしてきて、ある結論にたどり着きました。  
”勝敗を分けているのは、技術の差ではなく「ミスとの付き合い方」だ”ということです。  


この記事では、なぜ強い選手ほどミスを恐れていないのか、その理由を掘り下げながら、試合で実践できる考え方まで丁寧にお伝えします。

なぜミスがこれほど怖く感じるのか

卓球は、ミスが得点に直結する競技です。  
相手が何もしなくても、こちらが一本落とせば即失点になります。  
この構造が、ミスへの恐怖を強くします。

さらに卓球はテンポが速く、次のプレーまで考える時間がほとんどありません。  
ミスをした直後、頭の中で整理が終わらないまま次のサーブが来る。  
その結果、感情だけが置き去りになり、「またミスしたらどうしよう」という不安が残ります。

ここで多くの人は、無意識にこう考えます。  
「ミス=悪いこと」  
「ミスをしないようにプレーしなければならない」

この前提が、後のプレーをじわじわと縛っていきます。

多くの人が勘違いしている「良いミス」と「悪いミス」

試合後の会話で、こんな言葉をよく聞きます。  
「ミスが多すぎた」  
「今日はミスしなければ勝てた」

この評価基準には、ある大きな落とし穴があります。  
それは、”ミスをすべて同じ価値で見ている”ことです。

たとえば、思い切って厳しいコースを突き、わずかにオーバーした一本。  
結果はミスですが、その選択自体は間違っていません。  


一方で、ただ入れるだけの返球を続け、相手に打たれて失点した場合。  
この一本は「ミスではない」かもしれませんが、内容としては明らかに不利です。

強い選手は、この違いをはっきり区別しています。  
入ったかどうかではなく、「何を狙って、どう打ったか」で評価します。  
だからミスをしても、必要以上に自分を責めません。

逆に、多くの選手は結果だけを見ます。  
ネットにかかれば悪いミス、入れば良いプレー。  
この単純な判断が、挑戦する勇気を奪っていきます。

強い選手がミスをしても崩れない本当の理由

強い選手は、ミスをしても落ち込みません。  
それは精神力が特別に強いからではありません。  
”ミスの捉え方がそもそも違う”のです。

彼らはミスを「失敗」ではなく、「情報」として扱います。  
回転が足りなかったのか、タイミングが早かったのか、コース選択が甘かったのか。  
ミスした瞬間、感情よりも現象に目が向いています。

ここで重要なのは、反省より先に”修正”している点です。  
長く悩まず、その場で小さく調整する。  
だから次の一本に引きずられません。

一方で、ミスを恐れる人はこう考えがちです。  
「また同じミスをしたらどうしよう」  
「自分は一本ミスすると何本も続く選手だ」

この思考は、プレーそのものではなく、自分の評価に意識を向けています。  
結果として、判断が遅れ、動きが固くなります。

ミスを恐れるほどプレーが小さくなる仕組み

ミスを避けようとすると、選択肢は自然と減ります。  
思い切ったコースを狙わなくなる。  
回転量を抑え、スピードも落とす。  
いわゆる「安全な卓球」に寄っていきます。

一見、安定しそうに見えますが、実際は逆です。  
甘いボールが増え、相手に先手を取られる。  
ラリーが長引き、体力も精神も削られます。

結果として、”ミスを恐れた卓球ほど苦しくなる”のです。  
強い選手が多少のリスクを取り続けるのは、攻め続けた方が試合全体が楽になると知っているからです。

「ミスしない卓球」と「勝ちにいく卓球」の決定的な違い

ミスしないことを目標にすると、評価基準はシンプルです。  
入ったか、入らなかったか。  
この基準では、プレーの幅は広がりません。

一方、勝ちにいく卓球では基準が変わります。  
相手にプレッシャーをかけられたか。  
主導権を握れたか。  
流れを自分側に引き寄せられたか。

この基準で見ると、ミスの意味も変わります。  
挑戦した結果のミスは、次につながる一本になります。  
挑戦をやめた結果の「安全な一本」は、むしろ警戒すべきサインです。

ミスと上手く付き合うために意識したい考え方

ミスと上手く付き合うために、特別なメンタルトレーニングは必要ありません。  
視点を少し変えるだけで十分です。

まず、ミスを一球単位で切り離します。  
前の一本は、次の一本に影響しません。  
影響させているのは、自分の意識だけです。

次に、評価する対象を結果から選択へ移します。  
「なぜそのコースを選んだのか」  
「なぜその回転量にしたのか」  
ここが正しければ、結果がミスでも修正は簡単です。

そして、良いミスが続いているときは、攻め方を変えないこと。  
怖くなって引いてしまうと、相手は一気に楽になります。

 

試合で戦っているのは、他の誰でもなく「自分自身」

ミスを引きずらないための考え方として、どうしても触れておきたいのが、他者の評価との距離感です。

「また同じミスをしたら怒られるかな」  
「今のプレー、きっと良く思われていないだろう」

試合中、こうした考えが頭をよぎった経験はないでしょうか。  
勝敗よりも、ベンチや周囲の視線が気になり、無難なプレーを選んでしまう。実は、こうした萎縮は珍しいものではありません。

私自身も現役時代は同じでした。  
ミスそのものより、「どう見られるか」を気にしてプレーが小さくなっていた時期があります。

ただ、あるとき気づいたことがあります。  
自分の試合で責任を取るのは、監督でも、周囲でもありません。  
他でもない、自分自身です。

特にシングルスでは、あなたのミスも、あなたの得点も、すべてあなたのものです。  
勝っても負けても、最終的に受け止めるのは自分しかいません。

もちろん、日々の練習で積み上げてきたことや、セット間のアドバイスを活かそうとする姿勢は大切です。  
ただし、それは「勝つため」に使うものであって、「怒られないため」に縛られるものではありません。

自分らしいプレーができなくなるほど他者の評価が気になるなら、一度そこから手を放してもいい。  
他者の視線より、自分の判断を信じて戦うこと。  
それが、ミスへの考え方を変える最初の一歩になります。

試合で実感できるミスとの向き合い方の変化

ミスへの考え方が変わると、試合中の景色が変わります。  
点を落としても、必要以上に焦らなくなる。  
一本一本を冷静に見られるようになります。

何より、プレーに余裕が生まれます。  
振るべきときに振れる。  
攻めるべき場面で迷わない。  
これは技術練習だけでは手に入りません。

まとめ:ミスは減らすものではなく、使うもの

卓球にミスはつきものです。  
どんなトップ選手でも、ゼロにはできません。  
だからこそ、避けるのではなく、使う発想が大切になります。

ミスをどう受け止めるかで、試合の流れも、自分の成長速度も変わります。  
次の試合で一本ミスをしたとき、ぜひこう考えてみてください。  
「これは次を良くするための情報だ」と。

その瞬間から、あなたの卓球は少しずつ変わり始めます。

最後に

もし今、ミスへの考え方や試合中の迷いを「一人で抱えている」と感じているなら、誰かと一緒に整理するのも一つの方法です。

私がコーチをしている【チョレっと卓球ジム 津田沼店】では、

技術だけでなく、試合中の思考やミスとの向き合い方まで含めてお客様に合ったプレーを一緒に考えます。

 

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考え方が少し変わるだけで、卓球は驚くほど楽になります。  
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