こんにちは!M.Oです。
今回は、「試合中にミスが続いて自分のプレーが崩れやすい」
と感じている人に向けて、
”負の流れを断ち切り、試合を立て直す具体的な行動と考え方”
についてお話しします。
試合の途中で突然ミスが止まらなくなる瞬間、卓球プレイヤーなら誰しも経験したことがあると思います。
焦って強く打ってもミス、迷って弱く返してもミス。気づけば連続失点。
頭では「落ち着け」と分かっているのに、体が言うことを聞かない。
そんな“負の流れ”を経験したことがある選手は多いはずです。
でも、強い選手がなかなか崩れないのは、単にメンタルが強いからという理由ではありません。
流れを切り替える「具体的な行動」を持っているのです。
「なんでこんなにミスするんだろう」と感じるとき、
実はプレーそのものではなく“心の焦点”がずれています。
卓球はわずか数秒で1ポイントが終わるスポーツ。
ミスした直後には、もう次のサーブやレシーブの準備に入らなければなりません。
そのため、頭の中で「さっきのミス」が残っていると、
動き出しや判断がほんの少し遅れ、それがまたミスを呼びます。
ミス → 焦り → 判断ミス → さらにミス
このスパイラルに入ると、自分でも止められないほど流れが悪くなるのです。
私自身、10対8でリードしている場面から、連続失点でセットを取られてしまうという経験が何度もありました。
当時「打ち方が悪いのかも」「狙ったコースが悪いのかも」と思っていましたが、 本当の原因は“焦点のズレ”にありました。
ボールを打つ瞬間に「入れなきゃ」という意識が先行し、
打球感覚を完全に失っていたのです。
ミスが続くと、誰もが「早く取り返そう」とします。
しかし、流れが悪いときに最も大切なのは“止まること”です。
1本のミスの後、すぐに次のサーブに向かうのではなく、
いったん立ち止まり、呼吸を整える。
タオルで汗を拭く、ラケットを軽く回す、それだけでも効果があります。
なぜなら、焦りは“思考が速すぎる状態”だからです。
頭のスピードを一度落とし、身体のテンポに戻す。
それが「止まる」行為の本質です。
私は試合中、自分ルールを決めていました。
1本ミスしたら“深呼吸1回”、サーブの構えに入ってから”ラケットを回す”。
それだけで、無意識に焦りの連鎖を断ち切れるようになりました。
意識的に「間」をつくることが、流れを戻す最初の一歩です。
ミスが続くと、人は結果に意識を取られます。
「このセットを取りたい」「次は絶対決めたい」。
しかし、その“欲”が集中を乱す最大の要因です。
必要なのは、「結果」から「感覚」へのフォーカス切り替え。
打つ前に、「ボールの回転を感じよう」「軽く触る感覚で」など、
“体で分かる目標”に意識を戻すのです。
たとえばストップが浮いたとき、
「次は浮かせないようにしよう」ではなく、
「次は軽く押さえて触ろう」と考える。
これだけで頭のノイズが減り、動作の再現性が戻ります。
”どうしてミスをしてしまったのか”で止まるのではなく、”次はどうすれば点が取れるのか”まで考えることで迷いなく次のプレーに入ることができます。
結果の言葉(勝ち負け)ではなく、
体の言葉(触る・押さえる・見る)で自分に指示を出すことが重要なんです。
流れを取り戻すためには、メンタルはもちろん、行動が重要です。
ここでは、私や多くの選手が実践している3つの“切り替えスイッチ”を紹介します。
試合中は、意外と呼吸を忘れています。
特にラリーが続いた後は呼吸が浅くなり、動作が速く雑になります。
深呼吸は、“落ち着くため”ではなく“リズムを戻すため”に行うもの。
「吸う」よりも「吐く」時間を長く取ると、自然に気持ちが整います。
私は、1本ごとに“息を吐く”ことだけを意識します。
吸うのではなく、しっかり吐く。
それだけで、不思議と視界が広がり、次のボールがゆっくり見えるようになります。
ミスが続くとき、多くの選手が無意識にラケットを強く握っています。
すると、打球感覚が鈍り、球離れが早くなります。
そんな時は、ラケットを一度軽く握り直す。
指を少し動かし、指先の感覚を戻すだけで“触る感覚”が蘇ります。
トップ選手もポイント間で必ずラケットを動かしています。
それは単なる癖ではなく、感覚のリセット動作なのです。
サーブ前にボールを弾く、タオルで汗を拭く、構えを整える。
ルーティンとは、意識的に“流れを止めるための動作”です。
焦っている時こそ、ゆっくりとルーティンを行いましょう。
一定のリズムを取り戻すことで、頭と体が同じテンポに戻ります。
“気持ちを切り替えよう”と言われても、実際には難しい。
なぜなら、メンタルはコントロールできないからです。
しかし、行動を変えることは誰にでもできます。
呼吸する、ラケットを握り直す、構え直す。
この3つだけで、頭の中の焦りは自然に薄れます。
メンタルを直接変えるのではなく、行動を通じて“結果的に落ち着く”のです。
崩れない選手ほど、感情ではなく行動で流れを変えています。
- 張本智和選手:声を出して自分を再起動
- 伊藤美誠選手:ラケットを軽く叩いてリズムを作る
- 早田ひな選手:サーブ前の呼吸ルーティンでテンポを整える
共通点は、意識の切り替えを“動き”で行っていること。
だからこそ、感情の波に左右されず、冷静に試合を進められるのです。
精神的な切り替えに加えて、技術的にも“安全策”を準備しておくと安心です。
それが、「戻せる一球」を持っておくこと。
たとえば、相手の強いサーブに対して無理にフリックを狙わず、
一度ツッツキで落ち着かせる。
または、ラリー中に無理な強打をせず、ブロックで相手のリズムを崩す。
ミスが続いたときに、すぐ攻撃で取り返そうとするのは危険です。
1本“流れを戻すためのショット”を打てると、それだけで気持ちが整います。
私は試合中に調子を崩したら、必ず“ツッツキ”からリズムを作り直します。
相手の打球を見る時間が増えるため、自然と呼吸も整い、流れが戻ります。
連続ミスのあと、自分を責めてしまう選手は多いです。
自分を責める思考を、自分を落ち着かせるための癖として行なってしまうこともあると思います。しかし、実際のところ自己否定だけでは冷静な分析は難しく、さらなるミスを呼びます。
「なんでできないんだ」「またやってしまった」ではなく、
「今のは焦ってたな」「次は少し待とう」と整理の言葉に変える。
この小さな言い換えが、思考の方向を180度変えます。
「OK、次」 「少し落ち着こう」 「大丈夫」
思考の中でも自分を責める言葉は使わないように意識しましょう。
一見そんなことで?と思われるかもしれませんが、言葉の力は偉大です。言葉で自分を整えると、頭の流れもリセットできます。
まずは冷静になるために、思考にも”間”を持たせましょう。
試合だけでなく、練習でも“流れを戻す練習”をしておくと効果的です。
フリー練習でミスしたときに、
「1本止める」「呼吸する」などのルーティンを入れる。
これを続けると、試合でも自然と動作が出てくるようになります。
特にゲーム練習では、試合の時と同等かそれ以上に、緊張感を持ってプレーすることが重要です。
そうすることで、より実践的に自分の”間”の作り方やルーティンが自然と定まるでしょう。
練習の目的は“成功率を上げること”だけではありません。
“崩れた時に立て直す力を育てること”も、立派な練習の一部です。
ミスが続いたとき、必要なのは強いメンタルではありません。
呼吸を整え、握りを戻し、意識的に「止まる」こと。
小さな行動の積み重ねが、試合の流れを変えます。
崩れない選手は、心が特別に強いわけではなく、
“整える習慣”を持っているだけです。
今日からの練習で、まずは「ミスの後の1本」に意識を置いてみてください。
流れを変える力は、あなたの中にすでにあります。
あとは、それを引き出す行動を選ぶだけです。
ここまで読んで、
「自分の間の取り方やルーティンを知るためにも、実践的な練習がしたい!」
と感じた方もいるかもしれません。
そんな方におすすめしたいのが、私がレッスンを行っている 【チョレっと卓球ジム 津田沼店】です。
現在、初回限定で無料体験レッスンを実施しています。
今回の記事でお話しした
“ミスをしても崩れないプレー”
”試合の中で流れを変える行動”を、実戦形式の練習で体感できます。
フォームの見直しや、試合中の間の取り方、呼吸の整え方まで。
あなたのプレーに合わせて、最適なアドバイスと練習法を提案します。
ぜひ津田沼に体験しに来てください。