こんにちはフルスイング野原です。三球目を捨てて5球目を取りにいく選択はどうなのか?について書いてみました。よかったらラケット片手に読んでみてください!
結論から言うと、「三球目をあえて捨てて五球目で取りにいく」という卓球戦術は、完全に“あり”です。
むしろ、三球目に縛られている選手ほど、一度この発想を取り入れると試合運びが一気に楽になります。
三球目で強引にドライブしてネットミス、あるいは相手のブロックに刺さってそのままカウンター。
サービスまでは完璧なのに、三球目で自滅して「なんでオレだけいつもこうなるんだ…」と心の中で崩れ落ちる。
卓球の試合で、こんな経験きっとありますよね?私は何回も思いました。
この記事では、「三球目を捨てるってほんとに得なの?」「五球目で取るって具体的にどういうこと?」という疑問に答えながら、試合の流れを変える“攻めの発想”をがっつり深掘りします。
ただ守りに回る話ではなく、「勝ちやすくなるために、あえて一拍おく」というちょっと大人な卓球の考え方です。
なぜ卓球プレーヤーは「三球目絶対主義」になりやすいのか
卓球の指導現場では、三球目攻撃はほとんどの指導者が口をそろえて教えるテーマです。
サービスから三球目で仕留める。
これは現代卓球の王道パターンです。
練習メニューも「サービス→三球目ドライブ」の反復が多くなります。
その結果、頭の中で次のような公式ができあがります。
「サービスを出す」=「三球目で攻めないといけない」この思い込みが厄介です。
相手のレシーブが想定より深かったり、回転が違ったりしても、「でも三球目だし…振らないと…」と体が勝手に前に出てしまいます。
これがミスの連鎖を生みます。
三球目絶対主義の状態だと、次のような悪循環に陥りやすくなります。
サービスは悪くないのに、三球目で自滅して得点が伸びない。
得点できないから、さらに三球目で無理して早く決めようとする。
無理するからミスが増えて自信を失う。
気づけばサービスからの自分の展開なのに「やらされている感」が強くなり、相手のほうが気持ち良くプレーしている。
本来、三球目は「打てるなら打つ」のが自然です。
「何が何でも打つ」ではありません。
ここを切り替えない限り、「五球目で仕留める」という発想は出てきません。
卓球のラリーは続けても良い、という当たり前のことを、もう一度頭と体に戻すところから始めていきます。

三球目を捨てる判断は“逃げ”ではなく“期待値の最適化”
三球目をあえて捨てると言うと、「それって攻めるのをやめるの?」と感じるかもしれません。
実際は真逆で、「点を取る確率が高いほうに賭ける発想」です。
少しイメージしてみてください。
三球目で無理やり振れば、三割から四割くらいは決まるかもしれませんが、同じくらいの確率で自滅もします。
一方、三球目で一度ボールを落ち着かせ、五球目で自分の形に持ち込めるなら、五球目の決定率はもっと高くなる可能性があります。
つまり、「今打ったら五分五分。でも一球我慢したら七割くらいの確率で取れそう」という状況なら、あえて三球目を捨てるほうが“攻撃的”です。
ここで求められるのは根性ではなく、冷静な計算です。
三球目を捨てる判断には、次のようなポイントがあります。
サービスが想定どおり効いているかどうか。
相手のレシーブが“弱いけど打ちにくい”中途半端なボールかどうか。
自分の体勢が整っているか。
下半身が遅れているのに、上半身だけ先に振ろうとしていないか。
このどれかが「微妙だな」と感じたら、三球目は軽く処理して五球目にスイッチする価値があります。
五球目で仕留める気があるからこそ、三球目を放棄できる。
これが「逃げではない三球目スルー」の本質です。
卓球のラリーを“長くする勇気”があるからこそ、最後に主導権を握れます。

実戦イメージで理解する三球目捨て→五球目ドカンの卓球パターン
頭の中だけだとふわっとしがちなので、卓球台の上で実際に起きるシーンとして、具体的なパターンでイメージを固めていきます。
下回転バック深め→三球目ツッツキ→五球目ドライブ
場面は自分のサービス。
相手はバック側のツッツキが少し甘くなりやすいタイプです。
まず一球目で、やや強めの下回転サービスを相手バック深くに出します。
相手は回転を嫌がり、無難にツッツキで返してきます。
ここで「よし、下回転だし三球目ドライブだ」と前のめりになりやすいところを、あえてぐっとこらえます。
三球目は、自分もバックでツッツキ。
相手バックの深い位置を狙い、少し回転量を変えて返します。
すると相手は二本連続でバックのツッツキを強いられ、体勢が若干固まります。
さらに、自分の時間が作れるので次の展開を落ち着いてくみ立てられます。
この瞬間、相手の視野は狭くなり、「とりあえず入れよう」と守る意識に寄りやすくなります。
そのスキを逃さず、五球目でフォアに回り込み、強いドライブ。
相手は「さっきは三球目で打ってこなかったのに、ここで来るのか」と一瞬反応が遅れます。
これが五球目発想の典型です。
卓球の試合でよく見る“同じツッツキが続いたあとの一発”を、意図的に設計しているイメージです。

横下フォア前短め→三球目タッチ→五球目カウンター
相手がチキータ多用型で、こちらの三球目にカウンターを合わせてくるケースです。
一球目のサービスは、横下回転をややフォア寄りの短い位置へ。
相手はチキータで攻めたいところですが、フォア前に短く来ると少し迷います。
フリックするか、短くストップするか、あるいは無理やりチキータするか。
実戦では、少し甘めのフリックになる場面が多くなります。
この微妙に浮いたフリックに、三球目で無理にバックドライブを合わせると、相手のブロックカウンターの餌食になりがちです。
そこで三球目は、あえて「軽くブロックして返す」選択を取ります。
相手のバック深く、あるいはミドルを狙ってスピードを抑えたブロック。
相手からすると、「あれ、カウンターしようと思ってたのに、もう一球返ってきた。
しかも微妙にいやらしいコース」と感じる瞬間です。
この一球で相手のリズムをずらしておいて、五球目でカウンター気味のバックドライブ。
相手の体勢が半歩遅れたところに突き刺さるので、決定率が三球目より上がります。
相手の“攻めたい卓球”を逆手に取っている形です。
ロングサービスでわざとラリーを選ぶ五球目狙い
三球目に自信がない選手は、逆に「全部短く出そう」としがちですが、あえてロングサービスを使って五球目狙いに持ち込む選択肢もあります。
たとえば、ナックル系のロングサービスをバック側に出します。
相手はドライブで先手を取ろうとしますが、ナックルが効いていて回転のかかりが甘くなり、こちら側にはチャンスボール気味のボールが戻ってきます。
ここで三球目カウンターを狙っても良いのですが、相手が準備している場合はリスクもあります。
そこで三球目は少し抑えてブロックやカット気味に返し、相手にもう一度打たせます。
相手は「決められなかった」と感じた状態で二本目のドライブに入るため、回転量が落ちたり、コースが甘くなったりしやすくなります。
そこを五球目で一気にカウンター。
相手からすると「なんでこっちが先に仕掛けてるのに、最後に決められる側なんだ」とモヤモヤする展開です。
これも立派な“五球目で取りにいく卓球戦術”です。
五球目で取るためのサービス設計:レシーブを予測しやすくする
五球目狙いの卓球戦術でいちばん大事なのは、「相手のレシーブがどこに、どんな質で返ってくるか」を事前にイメージしやすいサービスを選ぶことです。
適当にサービスを出しても、五球目は組み立てられません。
意識しておきたいポイントは三つあります。
一つ目は、回転の種類をはっきりさせることです。
中途半端な下ナックルより、「これはガッツリ下回転です」「これはほぼナックルです」と自分で言い切れるほうが、返球のパターンを読みやすくなります。
二つ目は、コースをしっかり絞ることです。
バック深く、フォア前、ミドル寄りなど、狙う場所をハッキリさせると、相手のレシーブの選択肢も自然と限定されます。
バック深くに強い下回転を送れば多くの選手はツッツキになりますし、フォア前の横下短めならフリックかストップに絞られます。
三つ目は、相手の“得意技”をわざと封じることです。
チキータが得意な相手には、バック深くではなくフォア前を多めに。
フリックが苦手な相手には、ストップをさせにくい半長のサービスを混ぜるなど、「やりたいレシーブをさせない」サービスを出せると、五球目の読みがさらに楽になります。
この三つを意識すると、「この卓球サービスを出したら、レシーブはこのへんに来るはずだから、三球目は軽く触って五球目でここにドカン」という“設計図”が頭の中に描けるようになります。
五球目発想は、サービス設計とセットで機能します。

五球目発想を身につけるための練習メニュー
発想だけ変えても、体がついてこないと意味がありません。
ここからは、卓球の練習メニューとして実際に使える形に落とし込んでいきます。
三球目は絶対に打たない縛りゲーム
まずは感覚を変えるためのトレーニングです。
ルールはシンプルで、「自分のサービスからの三球目では絶対に強打しない」。
ツッツキ、ストップ、ブロック、チキータなど“つなぐ技術”しか使ってはいけない縛りにします。
相手には「普通に点を取りにきていいよ」と伝えます。
こちらは五球目以降でしか攻めないので、自然と相手のパターンを観察する時間が増えます。
どのサービスに、どのレシーブが多いのか。
三球目を軽く返したあと、相手はどこに打ちたがるのか。
五球目で狙えるコースはどこなのか。
これを意識していると、試合での“待ち方”が変わってきます。
コース指定の五球目ドライブ・カウンタードリル
次は、五球目で決める感覚そのものを磨きます。
多球練習でもマシンでも構いませんが、シンプルな流れはこうです。
一球目のサービスは自分で出す。
二球目のレシーブ役には、決まったコースに返してもらう。
三球目は必ずツッツキなどでつなぐ。
四球目もレシーブ役が決まったコースに返す。
五球目を指定コースにドライブ、またはカウンター。
たとえば、「五球目はクロスにフルスイング」「五球目はミドルをえぐるドライブ」など、ターゲットを明確にして繰り返すと、五球目専用の“ギア”が体に作られていきます。
これも立派な卓球の戦術練習です。
五球目でしか得点にならないゲーム形式
ゲーム練習としては、「五球目で得点したときだけ2点」というルールもおもしろいです。
三球目で決めた点は1点、五球目で決めたら2点。
こうすることで、自然と五球目まで展開を引っ張る意識が生まれます。
もちろん実戦では三球目で決めてしまっても良いのですが、練習の段階で「五球目まで我慢して主導権を握る」という選択肢を体に覚えさせておくと、試合中でも無理な三球目を減らせます。
「三球目を振る勇気」だけでなく、「五球目まで待つ勇気」も身につきます。
戦術だけじゃない、メンタル面でのメリット
五球目発想の良さは、技術面だけではありません。
メンタルにもかなり効きます。
三球目絶対主義のときは、サービスを出すたびに「決めなきゃ」「打たなきゃ」というプレッシャーを自分で上乗せしています。
一本ミスしただけで、「今日三球目全然ダメだ…」と自分を責め始め、負のループに入りがちです。
一方で、「三球目は選択肢の一つ。五球目もある」と思っていると、一本ミスしても気持ちの落差が小さくなります。
プランBがあるだけで、人は冷静さを保ちやすくなります。
また、五球目狙いの癖がつくと、自然と「相手を観察する視点」が身につきます。
サーブを出したあとに、相手の足の位置、上半身の向き、ラケットの高さなどをチェックする癖がつくので、相手のクセが見えてきます。
この“観察力”は、どんな卓球戦術にも応用できます。
結果として、「今日は三球目が不調だから終わり」ではなく、「今日は三球目がイマイチだから五球目多めでいこう」と試合の途中で戦術を切り替えられるようになります。
これは中級者から上級者への大きなステップです。

三球目と五球目、どちらを選ぶかの判断基準
とはいえ、「じゃあもう全部五球目でいいの?」というと、それも違います。
大事なのは「三球目で行くべき場面」と「五球目まで我慢したほうがいい場面」の見極めです。
ざっくりとした目安としては、次のように考えると分かりやすくなります。
レシーブが甘くて、自分の体勢も完璧に整っている。
相手が完全に止まっている、あるいは逆を踏んでいる。
回転も高さも読み切れていて、不安要素がほとんどない。
この三つがそろったら、三球目でいく価値は高いです。
逆に、レシーブがやや深くて打点が詰まりそう。
回転がいつもより強い、あるいはナックル気味で迷う。
自分の足が一歩遅れていて、上半身だけで打ちにいきそう。
このどれか一つでも当てはまるなら、五球目まで我慢したほうが期待値は上がります。
つまり、「三球目で打つ理由」ではなく、「三球目で打たない理由」をチェックするほうが安全です。
一つでも“打たない理由”が見つかったら、五球目プランにスイッチする。
これを習慣にすると、無駄な失点が目に見えて減っていきます。
卓球でありがちな“自滅パターン”から抜け出せるようになります。
まとめ:3球目を捨てて5球目で取れる人が、卓球では結局強くなる
三球目を捨てて五球目を取りにいく選択は、守りではなく“攻撃の期待値を最大化する卓球戦術”です。
三球目で無理に振らないことで、五球目でより精度の高い一発を打ち込めるようになり、結果的に試合全体での得点力が上がります。
サービスからの展開を「一発で決めるもの」と考えるのか、「一球ずつ積み上げて最高のタイミングで決めるもの」と考えるのか。
この違いが、同じ技術レベルでも勝敗を大きく分けます。
三球目を“打てるようになる”ことも大事ですが、三球目を“あえて打たないで勝てる”ようになることには、また別の価値があります。
ここに気づけるかどうかで、卓球の戦い方はまったく変わります。
次の練習では、あえて三球目を打たないゲームを一度やってみてください。
最初は違和感があっても、「あ、ここ五球目のほうがラクだな」「今までなんでここで無理してたんだろう」と感じる場面が必ず出てきます。
三球目を“打てる人”はたくさんいます。
でも、三球目を“あえて打たない選択ができる人”はまだ少数派です。
その少数派になれたとき、あなたの卓球はもう一段階上のステージに進んでいます。
最後に
「理屈は分かったけど、実際にやってみないと身体が覚えない」そんなふうに感じた方もいると思います。
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